月は東に

起きてしまった知人の配偶者との「関係」の事実を、男は謝罪し弁明するほどに、ますます窮地に陥ってゆく。露呈する主人公の心の「やましさ」を、作家の眼が凝視する。救いを願う個我の微妙な感情と心理を描いた、意欲的長篇。夏目漱石、志賀直哉らと日本の近代小説が探求し続けてきた、人間の「倫理とエゴ」の重く切実な主題を共有する、『幕が下りてから』に続く著者中期の代表作。

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書誌情報

紙版

• 発売日: 1994年08月03日
• ISBN: 9784061962866
• 判型: A6
• 価格: 定価：1,004円（本体913円）
• ページ数: 260ページ
• シリーズ: 講談社文芸文庫

電子版

• 発売日: 2020年05月29日
• JDCN: 06A0000000000071856Y

初出

『安岡章太郎集７』１９８８年４月岩波書店刊

著者紹介

著： 安岡　章太郎（ヤスオカ　ショウタロウ）

解説： 日野　啓三（ヒノ　ケイゾウ）