
自由の彼方で
ジユウノカナタデ
- 著: 椎名 麟三

自らガラス窓に頭からとびこみ、自分の流す血を他人との戦いの武器としていたコックの清作は、母の自殺未遂を機に電車の車掌になる。非合法活動にのめりこんだ清作は警察に検挙され、常に特高に監視される身になる。御し難い力に衝き動かされていた過去の自分を1個の“死体”として突き離して眺めることにより自由の可能性を追求した、自伝的告白小説。
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書誌情報
紙版
発売日
1996年02月09日
ISBN
9784061963580
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
230ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
1971年3月冬樹社刊『椎名麟三全集』第5巻を底本