わが母の記

80歳の母を祝う花見旅行を背景にその老いを綴る「花の下」、郷里に移り住んだ85歳の母の崩れてゆく日常を描いた「月の光」、89歳の母の死の前後を記す「雪の面」。 枯葉ほどの軽さのはかない肉体、毀れてしまった頭、過去を失い自己の存在を消してゆく老耄の母を直視し、愛情をこめて綴る『わが母の記』三部作。〈老い〉に対峙し〈生〉の本質に迫る名篇。ほかに「墓地とえび芋」を収録。

目次

わが母の記
花の下
月の光
雪の面
墓地とえび芋

書誌情報

紙版

• 発売日: 1997年07月10日
• ISBN: 9784061975750
• 判型: A6
• 価格: 定価：1,001円（本体910円）
• ページ数: 240ページ
• シリーズ: 講談社文芸文庫

電子版

• 発売日: 2010年02月12日
• JDCN: 0619757500100011000U

初出

１９７７年５月、講談社刊

著者紹介

著： 井上　靖（イノウエ　ヤスシ）

解説： 松原　新一（マツバラ　シンイチ）