
招魂の賦
ショウコンノフ

梶井基次郎らと刊行した雑誌、「青空」、そして保田與重郎、亀井勝一郎らと創刊した「日本浪曼派」はとくに戦前の風潮とあいまって一世を風靡した感がある。本書は文学的僚友のあいだで、地味ではあるが兄貴分の場所にいた中谷孝雄が、いまだ文学的雰囲気の濃密な時代と友人たち、彼らの死を親情あふるる抑制をもって描く。収録作品中、「桂子」は主人公の孫の早逝を悲しんで哀切きわまりない。
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書誌情報
紙版
発売日
1998年04月10日
ISBN
9784061976139
判型
A6
価格
定価:1,034円(本体940円)
ページ数
232ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
「招魂の賦」「抱影」は昭和44年1月講談社刊『招魂の賦』を、「春の絵巻」「桂子」は平成9年5月新学社刊『中谷孝雄全集』第1巻および第3巻
著者紹介
解説: 加藤 弘一(カトウ コウイチ)