
槿
アサガオ

男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子(よしこ)。20年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う(たゆたう)國子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。 濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
男の暴力性を誘発してしまう己の生理に怯える伊子(よしこ)。20年も前の性の記憶と現実の狭間で揺蕩う(たゆたう)國子。分別ある中年男杉尾と二人の偶然の関係は、女達の紡ぎ出す妄想を磁場にして互いに絡み合い、恋ともつかず性愛ともつかず、「愛」の既成概念を果てしなく逸脱してゆく。
濃密な文体で、関係の不可能性と、曠野の如きエロスの風景を描き切った長篇。谷崎潤一郎賞受賞。
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目次
槿
著者から読者へ
年譜
書誌情報
紙版
発売日
2003年05月10日
ISBN
9784061983335
判型
A6
価格
定価:2,200円(本体2,000円)
ページ数
544ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2015年05月15日
JDCN
0619833300100011000F
初出
本書は福武文庫『槿』(1988年刊)を底本とし、多少加筆した。
著者紹介
解説: 松浦 寿輝(マツウラ ヒサキ)