
怒りの子
イカリノコ

自分を掴もうとして空転を重ねる美央子。そんな美央子を姉のように見詰める、超然とした初子。美央子と同じアパートに住み、常に彼女にまつわりつく、虚言癖を持つますみ。3人の女性の緊迫した心理の劇は、美央子の松男への強引な思い入れを契機に、破局へと突き進む。昭和50年代後半の京都の町家を舞台に、周密な言葉運びと夢の持つ暗示力で、人間の内面の混濁の諸相を描破した、読売文学賞受賞作。
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書誌情報
紙版
発売日
2004年07月11日
ISBN
9784061983748
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
304ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
本作品は、書き下ろし長編として、講談社より1985年9月に刊行されました。本書は『高橋たか子自選小説集』第3巻(1994年9月、講談社刊)を底本としました。
著者紹介
解説: 清水 良典(シミズ ヨシノリ)