
花衣
ハナゴロモ

人生の落日を心身に自覚した男と、いのちの盛りの女。俗にいえば中年の男女のありふれた情事。だが昇りつめた2人を死の影が一閃、恋は華やぎの極点で幻の如く頽れる。満開の桜の恐ろしいまでに静まった美(「花衣」)、満潮には海に没する砂嘴の夢幻の美(「岬」)等、歌人にして作家上田三四二が、磨きぬかれた日本語の粋と、大患で得た生死一如の感覚をもって、究極のエロスを描く連作短篇集。
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書誌情報
紙版
発売日
2004年07月11日
ISBN
9784061983762
判型
A6
価格
定価:1,210円(本体1,100円)
ページ数
240ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
本書は1982年3月講談社刊『花衣』を底本とし、振りがなを多少加えました。
著者紹介
解説: 古屋 健三(フルヤ ケンゾウ)