ゴットハルト鉄道

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ゴットハルト鉄道

ゴットハルトテツドウ

講談社文芸文庫

“ゴット(神)ハルト(硬い)は、わたしという粘膜に炎症を起こさせた”ヨーロッパの中央に横たわる巨大な山塊ゴットハルト。暗く長いトンネルの旅を“聖人のお腹”を通り抜ける陶酔と感じる「わたし」の微妙な身体感覚を詩的メタファーを秘めた文体で描く表題作他2篇。日独両言語で創作する著者は、国・文明・性など既成の領域を軽々と越境、変幻する言葉のマジックが奔放な詩的イメージを紡ぎ出す。


変幻自在、越境する言葉のマジック!

“ゴット(神)ハルト(硬い)は、わたしという粘膜に炎症を起こさせた”ヨーロッパの中央に横たわる巨大な山塊ゴットハルト。暗く長いトンネルの旅を“聖人のお腹”を通り抜ける陶酔と感じる「わたし」の微妙な身体感覚を詩的メタファーを秘めた文体で描く表題作他2篇。日独両言語で創作する著者は、国・文明・性など既成の領域を軽々と越境、変幻する言葉のマジックが奔放な詩的イメージを紡ぎ出す。

室井光広
多和田文学のキャラクターたちを形容するにふさわしい言葉を今次もうひとつ見つけた。――あやかしの歩行巫女(あるきみこ)。(略)アルキミコたちは男流的押しつけがましさを軽くいなしながら、奥を幻視する。閉じ込められた奥ではどんなあやしの幻術がおこなわれるのか。それは決して「偉大なもの」ではなく、たとえば本書に何度か使われている言葉をかりて簡単にいうなら「壁」を、皮膚の暖かさをもつ皺のイメージにも重なる「襞」に変異させるような術だ。――<「解説」より>


書誌情報

紙版

発売日

2005年04月09日

ISBN

9784061984028

判型

A6

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

272ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2014年01月17日

JDCN

0619840200100011000C

初出

底本:ゴットハルト鉄道『戦後短篇小説再発見14 自然と人間』(’03年9月講談社文芸文庫刊)、無精卵・隅田川の男『ゴットハルト鉄道』(’96年5月講談社刊)収録作品参照。

収録作品

  • 作品名

    ゴットハルト鉄道

    初出

    初出:『群像』’95年11月号

  • 作品名

    無精卵

    初出

    初出:『群像』’95年1月号

  • 作品名

    墨田川の皺男

    初出

    初出:『文學界』’94年1月号

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