日本の童話名作選 明治・大正篇

日本の童話名作選 明治・大正篇

ニホンノドウワメイサクセンメイジタイショウヘン

講談社文芸文庫

鏡花から夢二まで子どもへの愛に溢れた珠玉の童話16篇!

明治・大正期、近代文学の黎明と共に子どもの文学にも一大変革が起きた。親から子に語られる昔話や外国童話の翻案に代わり、紅葉・鏡花等錚々たる文豪達が競って筆を執り、子どもへの愛に溢れた香気高い童話が数多く生み出された。日本の童話の嚆矢とされる巌谷小波「こがね丸」始め、押川春浪、与謝野晶子、菊池寛、芥川龍之介、有島武郎、島崎藤村、佐藤春夫、竹久夢二等15名の珠玉の童話を精選。

神宮輝夫
大正期に子どもの文学の総称となった「童話」は間口の広い文学形式と言える。(中略)ひろげればそのまま優れた小説になるのだが、それを小さなまとまりのある世界にとどめているところに「童話」の意味がある。それは、逃避的な桃源郷幻想ではなく、人間と社会についての強固な理想をこめた文学であって、子どもの文学発達の一時期のものではなく、今もなくてはならない領域である。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2005年05月12日

ISBN

9784061984059

判型

A6

価格

定価:1,430円(本体1,300円)

ページ数

320ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    こがね丸

    初出

    底本:『日本児童文学大系 第一巻』ほるぷ出版’77年11月

  • 作品名

    二人むく助

    初出

    底本:『日本児童文学大系 第四巻』ほるぷ出版’78年11月

  • 作品名

    金時計

    初出

    底本:『日本児童文学大系 第四巻』ほるぷ出版’78年11月

  • 作品名

    山の力

    初出

    底本:『定本国木田独歩全集 第三巻(増補版)』学習研究社’95年7月

  • 作品名

    絶島通信

    初出

    底本:『怪雲奇星』本郷書院 1906年6月

  • 作品名

    金魚のお使

    初出

    底本:『少女世界』博文館 1907年6月

  • 作品名

    納豆合戦

    初出

    底本:『赤い鳥』赤い鳥社’19年9月

  • 作品名

    魔術

    初出

    底本:『日本児童文学大系 第十二巻』ほるぷ出版’77年11月

  • 作品名

    一房の葡萄

    初出

    底本:『日本児童文学大系 第九巻』ほるぷ出版’77年11月

  • 作品名

    ふるさと(抄)

    初出

    底本:『島崎藤村全集 第十六巻』新潮社’51年3月

  • 作品名

    鳩と鷲

    初出

    底本:『日本児童文学大系 第十二巻』ほるぷ出版’77年11月

  • 作品名

    蝗の大旅行

    初出

    底本:『日本児童文学大系 第十二巻』ほるぷ出版’77年11月

  • 作品名

    壺作りの柿丸

    初出

    底本:『赤い鳥』赤い鳥社’23年8月

  • 作品名

    白雲石

    初出

    底本:『日本児童文学大系 第九巻』ほるぷ出版’77年11月

  • 作品名

    大きな蝙蝠傘

    初出

    底本:『春(復刻版)』ほるぷ出版’74年10月

  • 作品名

    日輪草

    初出

    底本:『春(復刻版)』ほるぷ出版’74年10月

著者紹介