
ボードレールと私
ボードレールトワタシ

永遠なるアヴァン・ギャルド
戦前の新詩運動のなかで生み出された画期的な処女詩論「超現実主義詩論」から、晩年の詩的自伝ともいえる随想「ボードレールと私」まで、ボードレールの与えた影響とその変容を軸に、代表的詩論4篇を精選。詩的言語により経験生活を超克し、芸術のための芸術を追究してきた、偉大なる学殖詩人・西脇順三郎。そのアヴァン・ギャルドとしての革新的な試みの背景を理解するための貴重な1冊。
井上輝夫
ここに収められた4編の詩論は、日本近・現代文学が生み出したもっともスリリングな必読の詩論であり芸術論でもある。(中略)西脇の詩作品は普通に考える「詩らしさ」を破るような作法で書かれていて、伝統的詩歌や近代詩あるいは自然主義的な文芸に馴染んだ読者を驚かせる。(中略)それだけ西脇の詩作品が日本の近代文学の流れの中で画期的でアヴァン・ギャルド(前衛)としての革新性をもっていたことになる。(中略)こうした人の意表をつく西脇作品がどのような考えのもとに作られていたのかを理解しようとすると、ここに収録された4編の詩論を読むことは不可欠となる。――<「解説」より>
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書誌情報
紙版
発売日
2005年08月12日
ISBN
9784061984141
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
288ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
本書は、筑摩書房刊『定本西脇順三郎全集』第五巻(’94年4月)、第六巻(’94年5月)を底本とし、「超現実主義詩論」については、旧かな遣いを新かな遣いに改めました。