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ショート・サーキット
ショートサーキットサエキカズミショキサクヒンシュウ

若くして父となったかれは生活のため配電工となった。都市生活者の現実に直面するうち3人の子供の父となり、妻はすでに子供たちのものになってしまった。今日も短絡事故(ショート・サーキット)が起こり、現場にかけつける――。野間文芸新人賞受賞の表題作に、海燕新人文学賞受賞のデビュー作「木を接ぐ」をはじめ、働くということ、生きるということをつきつめた瑞々しい初期作品5篇を収録。
都市生活者の暗部に直面する電気工のかれ自らもまた危うさをはらんでいる
若くして父となったかれは生活のため配電工となった。都市生活者の現実に直面するうち3人の子供の父となり、妻はすでに子供たちのものになってしまった。今日も短絡事故(ショート・サーキット)が起こり、現場にかけつける――。野間文芸新人賞受賞の表題作に、海燕新人文学賞受賞のデビュー作「木を接ぐ」をはじめ、働くということ、生きるということをつきつめた瑞々しい初期作品5篇を収録。
佐伯一麦
多くの夢をみた。ほとんど、電気工の頃の夢。目覚めたとき、「ショート・サーキット」執筆の腹づもりが完全に固まっていた。労働の悲惨さというものは確かにあるが、その内側では、そのこと自体をも肯定している精神状態が確と存在しているということ。労働する人間に不幸をもたらす原因を取り除くのは、労働に美しさを取り返させること。元来病弱だったヴェイユが、命懸けでつかんだ労働の観察の結果と認識を、自分もまた手放すことなく作品で描こう。夜、O氏から電話がありタイトル名を正式に伝える。――<「著者から読者へ」より>
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目次
木を接ぐ
端午
ショート・サーキット
古河
木の一族
著者から読者へ
書誌情報
紙版
発売日
2005年10月08日
ISBN
9784061984196
判型
A6
価格
定価:1,650円(本体1,500円)
ページ数
328ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2014年11月14日
JDCN
0619841900100011000Y
初出
収録作品参照
収録作品
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作品名初出
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作品名
木を接ぐ
初出
底本:『雛の棲家』’87年10月福武書店
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作品名
端午
初出
底本:『ショート・サーキット』’96年4月福武文庫
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作品名
ショート・サーキット
初出
底本:『ショート・サーキット』’96年4月福武文庫
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作品名
古河
初出
底本:『木の一族』’94年3月新潮文庫
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作品名
木の一族
初出
底本:『木の一族』’94年3月新潮文庫
著者紹介
解説: 福田 和也(フクダ カズヤ)