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蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ
チョウガトブハッパガトブ

生涯一陶工として、土と火に祈りを込めた河井の純粋なる魂
陶芸家としての名声に自ら背を向け同志柳宗悦、濱田庄司と民芸運動を立ち上げた河井。「美を追っかける」世界から、名もなき職人仕事、工業製品の如き「美が追っかける」世界へ、さらに晩年は用途を超えた自由奔放な造形美の宇宙へ……。京都五条坂に登り窯をすえ、暮らし、仕事、美の三位一体、生涯を一陶工として貫徹した河井の純粋なる魂の表白。平易でありながら深遠な味わい深い文章を精選して収録。
河井寛次郎
私は木の中にいる石の中にいる、鉄や真鍮の中にもいる、人の中にもいる。1度も見た事のない私が沢山いる。始終こんな私は出してくれとせがむ。私はそれを掘り出したい。出してやりたい。私は今自分で作ろうが人が作ろうがそんな事はどうでもよい。新しかろうが古かろうが西で出来たものでも東で出来たものでも、そんな事はどうでもよい、すきなものの中には必ず私はいる。私は習慣から身をねじる、未だ見ぬ私が見たいから。――<本文「手考足思」より>
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書誌情報
紙版
発売日
2006年01月11日
ISBN
9784061984226
判型
A6
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
242ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
収録作品参照
収録作品
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作品名初出
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作品名
陶器の所産心
初出
初出:『雑器の美』’27年6月
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作品名
機械は新しい肉体
初出
初出:『私の哲学(続)』中央公論社’50年3月
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作品名
火は心の炎
初出
初出:『島根新聞』’58年10月
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作品名
民族造形の祈願
初出
初出:『日本教育新聞』’65年7月~8月
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作品名
蝶が飛ぶ 葉っぱが飛ぶ
初出
初出:『PHP』’49年
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作品名
歴史の突端に立つ子供達
初出
初出:『民藝』’64年1月号
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作品名
いのちの窓それ以後
初出
自筆ノートより’46年~’48年
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作品名
手考足思
初出
初出:『民藝』’63年12月号
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作品名
新時到来
初出
初出:『民藝』’66年1月号
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作品名
饗応不尽
初出
初出:個展案内状より’66年10月
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作品名
陶技始末
初出
初出:『工藝』’31年3月~34年10月
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作品名
対談 作り手の立場
初出
初出:『民藝』’63年11月号
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作品名
河井に送る
初出
初出:『工藝』’36年10月号