幾度目かの最期

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幾度目かの最期

イクドメカノサイゴクサカヨウコサクヒンシュウ

講談社文芸文庫

18歳の時に書いた作品で芥川賞候補となり、21歳で自殺した幻の作家・久坂葉子。神話化した天才作家の心の翳りを映す精選作品集。

今も惜しまれる元祖天才文学少女、その青春の光と影――。18歳の時書いた作品で芥川賞候補となり、そのわずか3年後に、列車に身を投げた久坂葉子。名門の出という重圧に抗いつつ、敗戦後の倦怠と自由の空気の中で、生きることの辛さを全身で表すかのように、華やかな言動の陰で繰り返される自殺劇……。遺書的作品「幾度目かの最期」を中心に、神話化された幻の作家の心の翳りを映す貴重な1冊。

久坂部羊
自殺の当日に完成されたのが、本書収録の『幾度目かの最期』である。この作品を読んだときの衝撃は、今も忘れられない。自分の死と文学をこれほど一致させた作品がほかにあるだろうか。自らの死を1編の小説に結晶させ、その作品の予告通りに死ぬ。それは芥川にも太宰にも三島にもなし得なかったことである。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2005年12月10日

ISBN

9784061984257

判型

A6

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

304ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    四年のあいだのこと

    初出

    底本:構想社刊『新編 久坂葉子作品集』’80年4月

  • 作品名

    落ちてゆく世界

    初出

    底本:六興出版刊『久坂葉子作品集 女』’78年12月

  • 作品名

    灰色の記憶

    初出

    底本:六興出版刊『久坂葉子作品集 女』’78年12月

  • 作品名

    幾度目かの最期

    初出

    底本:六興出版刊『久坂葉子作品集 女』’78年12月

  • 作品名

    初出

    底本:構想社刊『新編 久坂葉子作品集』’80年4月

  • 作品名

    鋏と布と型

    初出

    底本:人文書院刊『久坂葉子作品集 女』’53年6月

  • 作品名

    南窗記

    初出

    底本:構想社刊『新編 久坂葉子作品集』’80年4月

著者紹介

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