
マイページに作品情報をお届け!
世界漫遊随筆抄
セカイマンユウズイヒツショウ

昭和初期の世界へ旅立ち、そこに住まう人々と愚直に向きあう赤裸な記録
世界の激動を予感させる昭和初期、3年、11年と2度の欧米旅行に発ち、10年には樺太、中国等を訪れた正宗白鳥。文豪の眼に世界はどう映ったのか……。名エッセイ「六十の手習い」「髑髏と酒場」「郷愁――伯林の宿」を含む21篇を精選。新興国アメリカとヨーロッパの比較、イタリア、フランスの芸術、スターリンのソ連、ヒトラーのドイツ、外地で出会う不思議な邦人のことなど、簡潔な文体で直截に印象を記す好随筆集。
大嶋仁
彼の外国旅行記には、他の作家たちの同類のものとはまったくちがった味がある。あれほど長期にわたって多くの国々を見て回ったのに、異国情緒がまったくないというのもその一つだし、物珍しい風物に驚いているようでいて、結局は人間の本性はどこでも変わらないと見抜く眼力が光っているのも白鳥ならではの特徴である。――<「解説」より>
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
2005年12月11日
ISBN
9784061984288
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
256ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
底本:「他所の恋」は福武書店刊『正宗白鳥全集』第14巻(’86年1月)を、そのほかの作品は新潮社刊『正宗白鳥全集』第3巻(’65年10月)、第10巻(’67年2月)、第11巻(’68年1月)を底本として、新漢字、新かな遣いに改め、多少ふりがなを加えました。
著者紹介
解説: 大嶋 仁(オオシマ ヒトシ)