メタモルフォーシス ギリシア変身物語集

メタモルフォーシス ギリシア変身物語集

メタモルフォーシスギリシアヘンシンモノガタリシュウ

講談社文芸文庫

見果てぬ夢か?終わりのない罰か?

名前の意味から解放奴隷の出身とされるリーベラーリスが、神話やフォークロアに材を求め創造した41の変身物語。厳しい自然の中で人が神や妖精と共に生き、愛を交わし、闘った古典世界。死すべき身の人間の見果てぬ欲望を、神は憎み、時に憐んで、人を鳥や獣や星へと変身させる。善悪の判断や装飾を一切加えない素朴で力強い物語は、まさに文学の豊かな源泉。ギリシア語原典からの本邦初訳。

安村典子
変身とはまた、人間の本性の多様性を意味するものであったのかもしれない。(略)絶対的な神がこの世を支配しているのではなく、泉には泉の精がおり、樹木には樹木の精が宿っている。変身物語が好まれる精神の土壌として、このような多様性を受け入れる資質があったことは、否定できないであろう。人間の情熱や欲望が、絶対者としての神に否定されることなく、その情熱にふさわしい動物や物体に変形するまで、続いてゆくのである。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2006年03月12日

ISBN

9784061984363

判型

A6

価格

定価:1,210円(本体1,100円)

ページ数

240ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

著者紹介