
マイページに作品情報をお届け!
もぐら随筆
モグラズイヒツ
- 著: 川崎 長太郎

小田原の生家の物置小屋で、陋巷の隠者としてもぐらのように暮らしながらも大切に守り通した文学への情念の炎。抹香町の私娼窟へ通い、彼女達に馴染み、哀歓を共にし、白昼の光りには見えない底辺に生きる人間の真実を綴った。60歳にして得た若い妻との生活への純真な喜びが溢れる紀行随筆。宇野浩二、中山義秀、水上勉ら師友をめぐる思い出の記。川崎文学晩年の達成を予感させる好随筆集。
- 前巻
- 次巻
オンライン書店で購入する
目次
I 梅干の唄
梅干の唄
海の方を向いて
柿の木と山鳩
暑い日に
七十四の春
新居の記
三十代の青春
消える抹香町
移り変りの記
クロのこと
師走の風
正月三ケ日の記
非蔵書家
過保護
II 多賀の桜
多賀の桜
花びら舞う
仙石原にて
道志川
坂の茶屋
酒匂川
相模湾
中津川
山国の旅
某月某日
香に匂う
谷の湯
山国行
谷の湯宿
秋色採集
一軒宿
III 「私小説」の半世紀
「私小説」の半世紀
商売女を主人公に
私と読者
一粒の麦
金十円也
宇野浩二さん
広津和郎さんのこと
福田正夫さんのこと
牧野信一さんのこと
中山義秀さんのこと
外村繁君の死
田畑修一郎君のこと
同病上林暁君
北原武夫君と私
水上勉君断片
丹羽文雄君のこと
「暗夜行路」
永井荷風
書誌情報
紙版
発売日
2006年06月10日
ISBN
9784061984431
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
304ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2014年03月28日
JDCN
0619844300100011000J
初出
底本:エポナ出版刊『もぐら随筆』(’77年11月)を底本とした。