白と黒の造形

白と黒の造形

シロトクロノゾウケイ

講談社文芸文庫

束の間の幻影に生を賭した銅版画の詩人

銅版画、その白と黒のドラマ。極限の美の世界に魅せられ、人生の懐疑と憂鬱を刻み込んだひとりの芸術家。――現代銅版画の輝かしい旗手として、戦後日本の芸術・文学の分野で先駆的役割を果した駒井哲郎。本書には、創造の秘密にふれる芸術論、ルドン、クレー、ミロ、長谷川潔ら敬愛する画家たちへのオマージュを中心に、冷静な眼と深い思索に支えられた、静謐でポエジー溢れる随筆を収める。

粟津則雄
駒井さんにとって、白と黒は、さまざまな色彩のなかのひとつではなかった。「すべての色彩の極限」であった。しかもこの「極限」は、純化の極であるばかりではない。多様にして豊饒な可能性をはらんだものだった。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2006年08月12日

ISBN

9784061984493

判型

A6

価格

定価:1,430円(本体1,300円)

ページ数

272ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

’77年5月小沢書店刊『白と黒の造形』を底本として使用し、本文中明らかな誤植と思われる個所を編集部により訂正し、多少ふりがなを加えました。

収録作品

  • 作品名

    形体の不意打

    初出

  • 作品名

    白と黒の造形

    初出

  • 作品名

    私の芸術

    初出

  • 作品名

    夢と現実

    初出

  • 作品名

    銅版画について

    初出

  • 作品名

    自信喪失の記

    初出

  • 作品名

    私のかたち

    初出

  • 作品名

    冷静な眼と深い思索

    初出

  • 作品名

    私の技法

    初出

  • 作品名

    素描について

    初出

  • 作品名

    神秘な色彩の音楽

    初出

  • 作品名

    ルドンの素描と版画

    初出

  • 作品名

    ルドンの作品

    初出

  • 作品名

    青い三つの壺

    初出

  • 作品名

    ヴィーナスの誕生

    初出

  • 作品名

    不思議な森

    初出

  • 作品名

    パウル・クレー

    初出

  • 作品名

    女たちの館

    初出

  • 作品名

    パウル・クレーとその友人たち

    初出

  • 作品名

    ミロ芸術への招待

    初出

  • 作品名

    <火箭>について

    初出

  • 作品名

    入りまじるはにかみと感激

    初出

  • 作品名

    ドガと版画

    初出

  • 作品名

    美に酩酊する狂人

    初出

  • 作品名

    現代フランス創作版画

    初出

  • 作品名

    長谷川潔と銅版画

    初出

  • 作品名

    完成された技術と深い抒情

    初出

  • 作品名

    恩地孝四郎頌

    初出

  • 作品名

    恩地先生の思い出

    初出

  • 作品名

    放浪の終焉

    初出

  • 作品名

    未だ果てぬ本の夢

    初出

  • 作品名

    本の装丁について

    初出

  • 作品名

    大下さんの思い出

    初出

  • 作品名

    平井進さん

    初出

  • 作品名

    加藤清美君

    初出

  • 作品名

    最初で最後の舞台装置作り

    初出

  • 作品名

    たばこのやめ方

    初出

  • 作品名

    竹田和子さん

    初出

  • 作品名

    安東次男の横顔

    初出

  • 作品名

    戦争のあとに会えた詩人

    初出

  • 作品名

    私の風景

    初出

著者紹介