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定家百首・雪月花(抄)
テイカヒャクシュセツゲッカショウ

戦後、リアリズム至上の伝統歌壇に激震を起した前衛歌人の中でも歌と評論両輪の異才で光芒を放つカリスマ塚本邦雄。非在の境に虚の美を幻視する塚本は自らの詩的血脈を遡行、心灼かれた唯一の存在として宿敵・藤原定家を見出す。選び抜いた秀歌100首に逐語訳を排した散文詞と評釈を対置、言葉を刃に真剣勝負を挑む「定家百首」に加え、『雪月花』から藤原良経の項を抄録。塚本邦雄の真髄を表す2評論。
“愛しかつ憎んだ”宿敵定家に挑む
戦後、リアリズム至上の伝統歌壇に激震を起した前衛歌人の中でも歌と評論両輪の異才で光芒を放つカリスマ塚本邦雄。非在の境に虚の美を幻視する塚本は自らの詩的血脈を遡行、心灼かれた唯一の存在として宿敵・藤原定家を見出す。選び抜いた秀歌100首に逐語訳を排した散文詞と評釈を対置、言葉を刃に真剣勝負を挑む「定家百首」に加え、『雪月花』から藤原良経の項を抄録。塚本邦雄の真髄を表す2評論。
島内景二
繰り返し、言おう。邦雄の定家論は、由紀夫を含む滔々たる戦後文学の一大潮流の中で把握すべきである。龍彦もまた、然り。不可勝数の芸術家たちが群星のように燃えさかり、昼の太陽光線よりも赫く夜空を焦がした。彼らは異端・鬼才などと呼ばれたが、由紀夫という正統派の天才をマスコミの前面に押し立て、自分たちこそが芸術の正統だと高唱した。それが昭和40年代の空気だった。――<「解説」より>
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書誌情報
紙版
発売日
2006年10月11日
ISBN
9784061984578
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
304ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
電子版
発売日
2013年11月22日
JDCN
0619845700100011000W
初出
本書に収録した作品のうち「定家百首ー良夜爛漫」は『塚本邦雄全集』第14巻・評論7(’99年 ゆまに書房刊)を、「雪月花(抄)」は『塚本邦雄全集』第15巻・評論8(’01年 ゆまに書房刊)を底本とする。
著者紹介
解説・その他: 島内 景二(シマウチ ケイジ)