
偶像再興・面とペルソナ 和辻哲郎感想集
グウゾウサイコウメントペルソナワツジテツロウカンソウシュウ

時代に共鳴する
荒漠たる秋の野に立つ。星は月の御座を囲み月は清らかに地の花を輝らす。――と書き出される「霊的本能主義」。18歳、一高校友会雑誌に発表されたこの論考に始まり、『古寺巡礼』と同時期に刊行されながら著者自らによって封印された『偶像再興』、芸術への深い造詣を示す名随筆『面とペルソナ』に至る知の巨人の感性溢れる文章世界を厳選して再読する。
和辻哲郎
予はただ「古きものの復活」を目ざしているのではない。古きものもよみがえらされた時には古い殻をぬいで新しい生命に輝いている。そこにはもはや時間の制約はない。それは永遠に若く永遠に新しい。予の目ざすのはかくのごとき永遠に現在なる生命の顕揚である。――<本文より>
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書誌情報
紙版
発売日
2007年04月12日
ISBN
9784061984752
判型
A6
価格
定価:1,540円(本体1,400円)
ページ数
328ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
『和辻哲郎全集』1、17、20、21、別巻1(’89年5月~’92年4月 岩波書店刊)収録作品参照。
収録作品
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作品名初出
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作品名
霊的本能主義
初出
初出:『校友会雑誌』’07年11、12月
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作品名
エレオノラ・デュウゼ
初出
初出:『スバル』’11年1月
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作品名
「メモランダム」ノート(抄)
初出
初出:’13年2、12月執筆
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作品名
自己の肯定と否定と
初出
初出:『反響』’14年4月
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作品名
「ゼエレン・キェルケゴオル」序
初出
初出:『時事新報』’15年9、7、8月
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作品名
生きること作ること
初出
初出:『新小説』’16年4月
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作品名
ベエトォフェンの面
初出
初出:『科学と文芸』’16年4月
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作品名
転向
初出
初出:『新小説』’16年5月
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作品名
ある思想家の手紙
初出
初出:『新小説』’16年11月
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作品名
停車場で感じたこと
初出
初出:『新小説』’17年1月
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作品名
創作の心理について
初出
初出:『文章世界』’17年1月
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作品名
夏目先生の追憶
初出
初出:『新小説』臨時号『文豪夏目漱石』’17年1月
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作品名
自然を深めよ
初出
初出:『新小説』’17年4月
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作品名
すべての芽を培え
初出
初出:『中央公論』’17年4月
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作品名
樹の根
初出
初出未詳『偶像再興』所収
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作品名
偶像崇拝の心理
初出
初出:『新潮』’17年4月
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作品名
『偶像再興』序言
初出
初出:『偶像再興』(岩波書店)’18年11月
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作品名
院展遠望
初出
初出:『東京日日新聞』’18年9月12~16日
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作品名
院展日本画所感
初出
初出:『中央美術』’19年10月
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作品名
『劉生画集及芸術観』について
初出
初出:『中央美術』’21年4月
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作品名
享楽人
初出
初出:『人間』’21年5月
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作品名
土下座
初出
初出:『光』’21年10月
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作品名
面とペルソナ
初出
初出:『思想』’35年6月
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作品名
茸狩り
初出
初出:『思想』’36年11月
著者紹介
解説: 中島 国彦(ナカジマ クニヒコ)