
ロダンの言葉 現代日本の翻訳
ロダンノコトバゲンダイニホンノホンヤク
- 編・訳: 高村 光太郎

「私はロダンによって救われ、ロダンによって励まされた。」
その詩業において不可欠である智恵子の存在と同様、光雲の嗣子として生まれ彫刻家の運命を定められた高村光太郎にとって巨匠オーギュスト・ロダンとの出会いは、天啓にもひとしいものだったにちがいない。「ランスの本寺」に始まり手稿、聞書を翻訳編纂することは自らの芸術観を確立するための必然的な作業でもあった。そして本書は若い芸術家たちに歓呼で迎えられた。
湯原かの子
光太郎は30代の働き盛りの大半をロダンの訳業にあてた。その後も、評伝「オオギュスト・ロダン」(1927)を著したり、美術書に作品解説をしたりと、ロダンに関わり続ける。こうした訳業を通して、西洋彫刻の技術的な知識や専門的な概念を学んだのはもちろんのこと、ロダンの自然主義と生命の芸術論から大きな影響を受けるのである。――<「解説」より>
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書誌情報
紙版
発売日
2007年05月12日
ISBN
9784061984776
判型
A6
価格
定価:1,430円(本体1,300円)
ページ数
320ページ
シリーズ
講談社文芸文庫
初出
『高村光太郎全集』第16巻(’96年1月増補版 筑摩書房)を底本として、新漢字、新かな遣いに改め、多少ふりがなを加える。
著者紹介
編・訳: 高村 光太郎