鰐 ドストエフスキー ユーモア小説集 沼野充義編

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鰐 ドストエフスキー ユーモア小説集 沼野充義編

ワニドストエフスキーユーモアショウセツシュウヌマノミツヨシヘン

講談社文芸文庫

ドストエフスキーは最初から「ユーモア作家」だった!

怪しい色男を巡る、2人の紳士の空疎な手紙のやり取り。寝取られた亭主の滑稽かつ珍奇で懸命なドタバタ喜劇。小心者で人目を気にする閣下の無様で哀しい失態の物語。鰐に呑み込まれた男を取り巻く人々の不条理な論理と会話。19世紀半ばのロシア社会への鋭い批評と、ペテルブルグの街のゴシップを種にした、都会派作家ドストエフスキーの真骨頂、初期・中期のヴォードヴィル的ユーモア小説4篇を収録。

沼野充義
ここに収められた初期から中期のドストエフスキー作品の基調ともいうべきものは、延々と続く形而上的議論の底知れぬ深みに下りていく手前で踏みとどまり(いったん呑み込まれたら這い出すことができないような深みがあることはすでに予感されるとはいえ)、あえて表層で戯れ続けているような感じさえ与える過剰な言葉と自意識のドタバタ劇場であって、ドストエフスキーは明らかにユーモア作家でもあった。――<「解説」より>


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書誌情報

紙版

発売日

2007年11月10日

ISBN

9784061984967

判型

A6

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

352ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    九通の手紙からなる小説

    初出

    筑摩書房刊『ドストエフスキー全集』第一巻’91年10月

  • 作品名

    他人の妻とベッドの下の夫

    初出

    筑摩書房刊『ドストエフスキー全集』第二巻91年10月

  • 作品名

    いまわしい話

    初出

    底本:新潮社刊『ドストエフスキー全集』第五巻’79年1月、第一刷

  • 作品名

    初出

    底本:新潮社刊『ドストエフスキー全集』第六巻’78年7月、第一刷

著者紹介

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