黒い裾

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電子あり

黒い裾

クロイスソ

講談社文芸文庫

千代は喪服を著(き)るごとに美しさが冴えた。……「葬式の時だけ男と女が出会う、これも日本の女の一時代を語るものと云うのだろうか」――16歳から中年に到る主人公・千代の半生を、喪服に託し哀感を込めて綴る「黒い裾」。向嶋蝸牛庵と周りに住む人々を、明るく生き生きと弾みのある筆致で描き出し、端然とした人間の営みを伝える「糞土の墻」ほか、「勲章」「姦声」「雛」など、人生の機微を清新な文体で描く、幸田文学の味わい深い佳品8篇を収録した第一創作集。
◎出久根達郎ーー自分をダシにして、巧みな虚構の世界を築く。エッセイ風小説、とでも称したら適切だろうか。描写が小説のそれでなく、エッセイの筆致なのである。大体、幸田作品の書き出しが、エッセイ風の文章である。身近な事柄の説明から、始まる。いつの間にか、仮構の世界に、読者は誘いこまれている。そして、結びの文章は、これは完全に小説のそれである。――<「解説」より>


ⒸTama Aoki/Takashi Kohda

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書誌情報

紙版

発売日

2007年12月11日

ISBN

9784061984974

判型

A6

価格

定価:1,430円(本体1,300円)

ページ数

224ページ

シリーズ

講談社文芸文庫

電子版

発売日

2020年02月07日

JDCN

06A0000000000086710V

初出

底本:「勲章」は岩波書店刊『幸田文全集』第一巻(’94年12月)、「姦声」「糞土の墻」「鳩」は同じく第二巻(’95年1月)、「髪」「段」「黒い裾」は同じく第三巻(’95年2月)、「雛」は同じく第四巻(’95年3月)。

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