マンガ禅の思想

マンガ禅の思想

マンガゼンノシソウ

悟りとは何か? 無念無想とは!
凡人にはわかりにくい〃不立文字〃の世界にマンガで挑戦。
この本をマスターすれば考え方、生き方のヒントがコンコンと湧いてくる。

中国禅宗の開祖は達磨(ダルマ)と言われている人である。彼はもと南インドの禅僧で、6世紀はじめに海路中国に入り、各地で禅を広めたと言われる。その生涯は謎に包まれ、さまざまな伝説を残している。洛陽東方の嵩山の少林寺で、壁に向かって9年間座禅をつづけた(面壁9年)といい、一説に、その間に手足が腐ってしまって、われわれが今日、縁日などで見かけるダルマそっくりになってしまったという。
「以心伝心」という成語はご存じだろう。今日われわれはこれを、無言のうちに心が通じ合うこと、黙っていても気持ちを汲んでくれる意味に用いている。じつはこれは、達磨の説いたことだ。「以心伝心、不立文字」と成句になっている。深奥の理はことばなどでは表現できるものではないから、「心を以て心に伝う」、つまり、無言の教えによって悟らせる。また、経典には確かに釈迦の教えが記されているけれども、それによりかかっているだけでは釈迦の教えの神髄は理解できない。ことばの言外の意味を汲み取り、自分の血肉として消化する必要があるというものだ。――本文「解説」より抜粋


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

1991年11月13日

ISBN

9784062056137

判型

四六

価格

定価:1,388円(本体1,262円)

ページ数

254ページ

著者紹介