カオス まったく新しい創造の波

カオス まったく新しい創造の波

カオスマッタクアタラシイソウゾウノナミ

一瞬の蝶の羽ばたきが未来を永劫に変えてしまう
なぜ予測ははずれるのか。なぜ思いもよらない結果になるのか。見えない大変化の法則を、カオス理論がはじめてとらえた。興奮と熱気に包まれた新しい科学の最前線から、第一人者がやさしく語る。

「カオス」は通常、秩序をあらわすコスモスの反義語として、「混沌」や「無秩序」と訳される。その語感は、「乱雑な混乱状態」である。ところが、カオスの語源を求めて西洋思想の歴史をさかのぼると、ギリシア神話や旧約聖書などでは、「宇宙の秩序が生み出される以前の無形の空虚」といった意味で使われていた。「決定論的カオス」と呼ばれる現代のカオスも、この宇宙の秩序が創造されてきたというイメージと同様に、たんなる混沌や無秩序ではなく、一見混乱した中に無限のかくれた秩序構造を自由に、そしてダイナミックに自己組織する能力をもっているのだ。


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目次

第1章 カオスとは何か
・なぜ遠い未来は予測できないか
・歴史はくり返さない
・カオス力学的世界観
第2章 蝶の森への道
・はばまれたカオス発見
・カオスを見抜いた天才
・絵にもかけない複雑さ
・中学生でもわかる
第3章 カオスを探る
・ヤリイカとカオス
・脳の謎に挑む
・横たわった涙の滴
第4章 カオスは創造の波
・医療診断とカオス
・カオス通信
・カオスCG
・カオスゆらぎの利用
・カオスの制御とメモリー
・カオス・コンピューティング
・カオス・ニューラルネットワーク

書誌情報

紙版

発売日

1993年10月21日

ISBN

9784062062879

判型

四六

価格

定価:1,923円(本体1,748円)

ページ数

230ページ

著者紹介