
ドラゴン・パ-ル(上)
ドラゴン・パール
『大地』『ワイルド・スワン』につづく衝撃と感動
中国との「生きたかけ橋」として、8歳のときに北京に送られたタイの少女。そこは想像とまったく異なる世界だった。
周恩来、廖承志に、わが子のように育てられとまどいと疑問の毎日だった。だが彼女は周恩来、廖承志の溢れるばかりの愛情を支えに、成長していく。
物語は1956年のバンコクにはじまる。時のタイ首相ピブンはしたたかな政治家だった。その7年前、アジアには激変が起きていた。毛沢東の率いる中華人民共和国の成立である。ピブンは、反共政策を前面に押し出してアメリカの援助を引き出す一方、燐国中国との関係改善も模索する。首相の腹心のジャーナリスト、サン・パタノタイは、この意をうけて中国との接触をはかった。そして難局を打開するため、ついに思い切った決断を下す。中国との生きたかけ橋にするために、自分の子どもを北京に送りこもうというのだ。幼い娘シリンと息子ワーンワイ。2人の行く手には、想像をはるかにこえるドラマが待っていた。
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
1994年09月19日
ISBN
9784062070416
判型
四六
価格
定価:1,923円(本体1,748円)
ページ数
286ページ