
経世会死闘の七十日
ケイセイカイシトウノナナジュウニチ
- 著: 大家 清二
日本の政治を本当に動かしているのは何か。なぜかくも激しい権力闘争が起こるのか。92年秋、自民党最大派閥、経世会分裂。政治記者は何を見たか。政治史を書きかえる注目の書。
「おーい、康信はいるか。おぉ、いたか」――金丸はたびたび長男の名を呼んだ。距離にして2メートル余りしかない。しかし金丸にはその姿が見えなかった。視力が零コンマ以下に衰えていたのである。このとき、金丸は家の外からは「東京地検特捜部の事情聴取を頑迷に拒否する政界最高実力者」と見られていた。しかしその実像は、副総裁を辞任したのに事件は一向に解決しない、いったいどうしたらいいのか、小沢は何をしているのか、と悩み苦しむ1人の老人に過ぎなかった。――第2章「揺れ続けた金丸」より
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目次
第1章 5億円事件の真実
・金丸が作り出した虚像
・クーデターへの疑念
・致命的な判断ミス
第2章 揺れ続けた金丸
・小沢への不安
・梶山の悲哀
・最高実力者の孤独
・突然の方針転換
第3章 対決
・小沢の涙と反撃
・2度目の「一龍戦争」
・罵倒し合う「鉄の軍団」
・「戦友」の対峙
・小沢、梶山の訣別
第4章 経世会分裂前夜
・世論に敗れた「世論政治家」
・秘書の悲劇
・多数派工作
第5章 雌雄決するとき
・羽田は小沢を選択した
・「金竹小」決裂
・消すことができない怨念
第6章 小沢包囲網
・「竹下派支配」への反抗
・「反小沢」決起
・色褪せた「改革派」
書誌情報
紙版
発売日
1995年12月04日
ISBN
9784062072311
判型
四六
価格
定価:1,602円(本体1,456円)
ページ数
254ページ