
「円」はどこへ行くのか
エンハドコヘイクノカタイケンテキカワセロン
- 著: 行天 豊雄
「円安」は本当に望ましいのか?
日本はなぜ「円高」恐怖症に陥ったのか?
「円」は世界の通貨になれるのか?
日本を代表する通貨のプロが明かす「円」の過去・現在・未来
日本の円高嫌いはアメリカの対日経済政策にも影響を与えた。アメリカは円高が日本のアキレス腱であることを発見して、円高を対日戦略に使うようになった。日本がアメリカの求めるような内需拡大策や市場開放策をとらないと見ると、「アメリカ政府高官の発言」といった形で市場心理に影響を与えて円高を誘導することがあった。円高を脅しに使って内需拡大や市場開放を引き出そうとしたのである。円高とはドル安のことであるから、アメリカにとっては自分の通貨の価値を下げることを戦術に使ったことになる。これはアメリカにとっても矛盾だった。――本書より
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目次
第1章 「外の眼」「内の眼」……「円」はどこから来たのか
第2章 アメリカの凋落……仕組まれた円安から円高の時代へ
第3章 「先進国クラブ」の転機……プラザ合意とは何であったか
第4章 「第3の革命」……市場の何が変わったのか
第5章 日本的なるものをめぐって……日本はなぜ介入好きか
第6章 「ドル」の力……基軸通貨とはいかなるものか
第7章 通貨のトライアングル……「円」はどこへ行くのか
第8章 「合意」と「ルール」……新しい通貨体制を求めて
書誌情報
紙版
発売日
1996年03月11日
ISBN
9784062074940
判型
四六
価格
定価:1,602円(本体1,456円)
ページ数
214ページ