
幻覚の鯱 神軍の章
ゲンカクノシャチシングンノショウ
- 著: 西村 寿行

ゼロが消え、十樹(とおき)吾一が消え、ステルス爆撃機までが消失。〈幻覚鬼・醜男(しこお)〉対〈鯱軍団〉の時空を越えた戦闘!──待望のシリーズ第10弾。
仙石文蔵は目を閉じていた。脳裡に醜老人の貌が懸かっている。ひどい矮男(こおとこ)だ。凹(くぼ)んだ眸が左右ちぐはぐについている。その眸にはどんよりと澱んだ沼が浮かんでいる。物がみえる眸にはみえない。しかし、それだけに淵は底無しに深い気がする。その眸が仙石文蔵をみている。妖怪めと、仙石文蔵は胸中につぶやいた。──(本文より)
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書誌情報
紙版
発売日
1995年05月24日
ISBN
9784062075374
判型
四六
価格
定価:1,388円(本体1,262円)
ページ数
254ページ
初出
『小説現代臨時増刊』メフィスト’94年8月号、11月号、’95年4月号