蘭と狗

蘭と狗

ラントイヌ

文芸(単行本)

第6回時代小説大賞受賞作
放火して小伝馬町から脱獄した蘭学者・高野長英。焼死した女房の残した音の出ない鈴を手に執念の鬼となって追う岡っ引・瓢六……。

あいつだ!板橋宿で牙をむいた狗。「もういっぺん、てめえを檻ん中にぶち込んでやるぜ」と獰猛(どうもう)に吼えた岡っ引の、悪鬼のようなあの顔だ。だが、なぜ?なぜ江戸の岡っ引がここまで追ってくるのか。途方もない時間と労力をついやして、おれを追い続ける理由は?あの男の執念を支えているものは?相手の腹の底が見えぬだけに、長英にはいっそう不気味さが募った。


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書誌情報

紙版

発売日

1996年03月08日

ISBN

9784062080361

判型

四六

価格

定価:1,708円(本体1,553円)

ページ数

338ページ

著者紹介