寝たきり婆あ猛語録

寝たきり婆あ猛語録

ネタキリババアモウゴロク

「いつまでも生きてられて困ってんだろう」
身体の自由はきかなくても口だけはモーレツに達者な母と、振り回される娘・孫娘の女3代が繰り広げる喜怒哀楽の日々。
〈猛語録の“さわり”〉
●「看るって言ったんだから、ちゃんと看ろ!こいと言うからきてやったんだ」●「いいんだよ、もうじき死ぬんだから」●「ぽっくり寺にお参りしたんだから、ぽっくり死ねなかったらサギだよ」●「いよいよこれが最期だよ。もう2度と起き上がれないまま死ぬんだから言うこと聞け!」●「歩け歩けというから歩いたんだ。そうしたら動けなくなっちゃったじゃないか」●「そんなに遠くへ行ってしまったら、おばあちゃんの死に目にも会えないだろう」●「悪かったね、甲斐性のない親で」

この本は、お年寄りたちへの応援歌でもあり、介護する側のボヤキでもあり、拙宅ほどひどくないわとホッとしてくださるもよし、親をこきおろしてけしからんと怒るもよし、女に介護を押しつけるのは間違っていると社会正義に目覚めてくださっても、ただ笑って読み捨ててくださっても、どう読んでくださってもかまいません。
開き直って本心を言えば、介護に閉ざされた私としては、ゴーツク婆あをネタにするくらいの楽しみがなければやってらんない、というところだ。――(著者まえがきより)


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書誌情報

紙版

発売日

1996年04月02日

ISBN

9784062081351

判型

四六

価格

定価:1,602円(本体1,456円)

ページ数

266ページ

著者紹介