母子像

青春の愛と性の彷徨！
学徒出陣を前に、放蕩と懊悩の日々を送る、多感なひとりの青年。美貌の芸妓への愛と母を描く自伝的小説。

羊介は眩暈を感じて目を閉じると、闇の中にはっきりと「戦争」という大きな活字が現われ、ぱっと消えたかと思うと、今度は大渦巻が起こった。そして、母の顔、英子の裸像、羊介自身もまた、大渦巻の中に巻きこまれ、くるりくるり、くるくるくると底無しの暗黒に落ちていった。――（本文より）

書誌情報

紙版

• 発売日: 1996年06月12日
• ISBN: 9784062081832
• 判型: 四六
• 価格: 定価：2,030円（本体1,845円）
• ページ数: 266ページ

著者紹介

著： 近藤　啓太郎（コンドウ　ケイタロウ）