
ハナコの首
ハナコノクビロダントスタニスラフスキーヲミリョウシタジョユウ
- 著: 秋元 藍

20世紀初頭、欧州を席巻した日本女性の生涯。
ハナコがフランスのマルセイユの劇場で「芸者の仇討」の女主人公、芸者の菊を演じていた時、ひげを生やした薄汚い老人が楽屋を訪ねてきた。有名なフランスの彫刻家ということだった。衣装をつけたままのハナコを、スケッチしたいという老人の希望に、ハナコは快く応じた。件(くだん)の老人は、「パリで公演の際は、ぜひ訪ねて来てください」と言って、住所と名前を書いたメモをさし出した。そこには、オーギュスト・ロダンと書いてあった。──(本文より)
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
1999年12月14日
ISBN
9784062083379
判型
四六
価格
定価:2,200円(本体2,000円)
ページ数
368ページ
初出
本書は岐阜新聞(朝刊)に、「ハナコ」の題名で、平成9年4月1日から12月31日まで連載されたものに大幅削除、加筆したもの。