
翼をもった女
ツバサヲモッタオンナ
- 著: 加藤 幸子

バード、あなたのように、私も旅をした
120年前、日本の「奥地」を旅した英国の女性旅行家イザベラ・バード。その足あとに〈私〉の人生を重ねて描く、
〈女〉を大地にしがみついて動きたがらない生物、と規定した理由は何だろう。もちろん自分が居心地よく感じれば、だれだって動きたくないけれど、そうでなければ私たちがより居心地よい場所を探しにいくことはごく自然である。そこが自分に与えられた世界でただ1つの場所ではないのだとしたら、なぜそこにとどまる必要があるのだろう。私たちが根を張っているところは、いうなれば自分という土壌なのである。──(本文より)
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書誌情報
紙版
発売日
1996年10月25日
ISBN
9784062084093
判型
四六
価格
定価:1,602円(本体1,456円)
ページ数
182ページ
初出
『群像』1996年7月号