
自白の風景
ジハクノフウケイ
- 著: 深谷 忠記

「俺は殺っていない!」
──獄死した男の痛哭の叫び。18年の時を経て、それはまったく皮肉な形で“再生”された。2つの冤罪事件に絡みつく情念!迫真のエンターテインメント!!
川喜多の胸には、前に「冤罪の構造」を読んでいるときから、そうした怒りとは別のある思い、感情も生まれていた。(中略)それらは、殺人犯の汚名を着せられたまま獄中で死んだ矢代の無念さ、悔しさ、怒りを想像するとき、川喜多の内でいっそう鮮明な輪郭を見せた。皮膚の下で自己増殖する棘(とげ)のように、彼の胸を内側からちくちくと刺した。──(本文より)
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
1996年10月09日
ISBN
9784062084215
判型
四六
価格
定価:2,136円(本体1,942円)
ページ数
468ページ