
ミステリの経済倫理学
ミステリノケイザイリンリガク
- 著: 竹内 靖雄
名探偵の食生活はなぜ貧しい?殺人請負会社はなぜ開業できない?結婚詐欺は本当に引き合う商売か?
「こんな読み方があったのか!」──超一級ミステリから現代の謎を解き明かす、快刀乱麻の経済学。
ミステリは一見勧善懲悪的であるけれども、それは悪が悪であるゆえに滅びることを教えているのではない。悪が愚行であったために失敗に終わることを教えているのである。……どんな重刑、残酷刑を用意しても犯罪がゼロにならないのは、人間が過ちを犯す動物だからであり、自分だけは捕まらないという誤った計算をする動物だからでもある。……そのさまざまな愚行を収集して展示したミステリの世界全体は、バルサックのいう「人間喜劇」の犯罪編なのである。──「はじめに」より
●本書に登場する主なミステリ作品(登場順)
氷の微笑/シンプル・プラン/笑う警官/Yの悲劇/推定無罪/バースへの帰還/情況証拠/凍える牙/偽のデュー警部/郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす ほか。
- 前巻
- 次巻
書誌情報
紙版
発売日
1997年12月12日
ISBN
9784062085564
判型
四六
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
342ページ