雨のなかの犬

マイページに作品情報をお届け!

雨のなかの犬

アメノナカノイヌ

文芸(単行本)

はぐれ人の彷徨を切なく描く著者初の短篇連作集。 親しかったヤクザのひとりがつまらない喧嘩で命を落とし、時代おくれのトップ屋がひとり、何日も音信不通だった。ヤバい事件に挑んでみるさ。そんなふうにいっていた男だ。ふたりとも、飲むと陽気な仲間だった。飲んでいないときの暮らしは知らない。私も知られたいとは思わなかった。ここ数週間の私はといえば、ろくな仕事もないままに、事務所ちかくの飲み屋で毎晩同じように酒を飲み、同じようにけだるい朝を迎えていた。そんな昼下がり、女がひとり、有楽町のガード下にある事務所を訪ねてきた。依頼人が女の場合、とりあえず歳格好に興味がいく。仕事をやる気がない昼下がりとなればなおさらだ。<本文抜粋>


書誌情報

紙版

発売日

1997年04月22日

ISBN

9784062085946

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

252ページ

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    雨の中の犬

    初出

    『小説工房』サンサ-ラ・1996年6月増刊号

  • 作品名

    新緑

    初出

    『小説フェミナ』1994年夏季号

  • 作品名

    黄昏に還る

    初出

    『週刊小説』1996年8月30日号

  • 作品名

    待つ

    初出

    『小説王』1994年2月号

  • 作品名

    蕗子への伝言『問題小説』1996年3月号

    初出

  • 作品名

    遙か彼方

    初出

    『メフィスト』小説現代・1996年12月増刊号

著者紹介

既刊・関連作品一覧