
サハリン脱走列車
サハリンダッソウレッシャ
- 著: 辻 真先

昭和20年8月。戦乱の樺太(サハリン)。運命に翻弄されながらも勁(つよ)く生きる人々の、破天荒な脱出行! 痛快冒険小説。 オォオォと陳メはウメく。イィイィと陳メは唸る。 なぜこの冒険小説がかくも激しく美しいのか。 終戦寸前の一方的なソ連の侵略による樺太と日本を舞台に、時代に翻弄された男と女の冒険行。物語も見せ場読ませ場山また山場、危機また死地の大脱走!だが、だがただオモシロの冒険小説である訳ないのが我らが辻真先。一読二読、背景に情感のスジがビシッと一本通っているのだ。 特筆は役者陣(キャラクタータチ)。一寸の虫にも五分の魂、それぞれひとりはちっぽけな人間でも、意地と気位を通す切ない愛が陳メの目頭を熱くする。 そう、この語り口の歯切れの良いサスペンスフルな物語は〈愛〉。 辻さんの優しさと情感に充ち溢れているのですぞ。──内藤陳
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書誌情報
紙版
発売日
1997年08月07日
ISBN
9784062088381
判型
四六
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
370ページ
著者紹介
著: 辻 真先(ツジ マサキ)