美神

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美神

ミューズ

文芸(単行本)

完璧なまでの美と官能の気配――それが阿佐子を不幸にした……。
男たちを惑わす美少女がたどった破滅の愛の物語

〈阿佐子9歳〉背中に薄いピンク色の羽を隠し持っているのではないか、と思えるような子供であった。
〈阿佐子17歳〉阿佐子が喋れば喋るほど、不思議なことにあたりに静謐さが広がっていくような気がした。
〈阿佐子22歳〉灯されたばかりの門灯の中で見る阿佐子は、その蜂蜜色の肌をきらめかせ、いっそう妖艶に、危なげに見えた。
〈阿佐子26歳〉阿佐子の肌のぬくもりが、コートを通して感じられた。それは儚い夢の象徴のように、矢崎をしんと静かな気持ちにさせた。
〈阿佐子30歳〉「囲われているんです、男の人に」迷いのない、決然とした響きのある言い方だった。
〈阿佐子35歳〉阿佐子が表現する愛情はすべて、彼の中の猜疑心を刺激した。


書誌情報

紙版

発売日

1997年10月24日

ISBN

9784062088510

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

214ページ

初出

収録作品参照

収録作品

  • 作品名

    妖女たち

    初出

    『小説現代』1995年10月号

  • 作品名

    ときめき

    初出

    『小説現代』1996年8月号

  • 作品名

    タブー

    初出

    『小説現代』1996年11月号

  • 作品名

    夢幻

    初出

    『小説現代』1997年1月号

  • 作品名

    薄荷の香り

    初出

    『小説現代』1997年3月号

  • 作品名

    春の風

    初出

    『小説現代』1997年5月号

著者紹介

既刊・関連作品一覧