
夫婦で六十二年
フウフデロクジュウニネン

演劇人として自らの道を生きた寡黙な夫。おしゃべりで野の花と山を愛する作家の妻。
敬愛し連れ合って62年の人生と心のうちを語るエッセイ集。
自分のそばに、自分の心をわかってくれる人がいる。それほど有難いことはなかった。自分が、夫がいなければ駄目、ということも、よくわかってきた。ここに収めた文章は、それぞれ2人の心と歴史を語っていて、私は、自分の我儘を通し、後悔をくり返し、すみませんと、最後に頭をさげてきた。夫は、人間が死ぬということも教えてくれ、自分の生き方を教えてくれる。怠ることはできない。彼の期待にこたえて、私は自分のいのちを、よりゆたかに生きねば、と毎日おもっている。――本文より――
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書誌情報
紙版
発売日
1997年10月09日
ISBN
9784062088596
判型
四六
価格
定価:1,870円(本体1,700円)
ページ数
224ページ
初出
収録作品参照
収録作品
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作品名初出
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作品名
劇作家を夫として六十二年
初出
『婦人之友』1997年1月
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作品名
制慾のすすめ
初出
『婦人こ公論』1996年12月
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作品名
悪女の嘆き
初出
『婦人公論』1949年11月
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作品名
病む子は私の生きる支え
初出
『婦人公論』1955年12月
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作品名
みんな死んでしまった
初出
『群像』1960年10月
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作品名
暮し向きのこと
初出
『群像』1962年7月
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作品名
不機嫌なその日の私
初出
『婦人公論』1962年12月
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作品名
引越しぎらい
初出
『群像』1968年11月
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作品名
血圧
初出
『群像』1977年9月
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作品名
山と海と
初出
『群像』1978年4月
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作品名
心と心
初出
『群像』1980年10月
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作品名
子持山遭難記
初出
『群像』1981年4月*子持山ふたたびを改題
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作品名
首
初出
『群像』1986年5月
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作品名
脚
初出
『群像』1986年6月
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作品名
心残り
初出
『群像』1991年2月
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作品名
宇野千代さん
初出
『群像』1996年8月
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作品名
井蛙の弁
初出
『自伝抄』読売新聞社 1978年4月15日刊
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作品名
物を書くのと言うのと
初出
『群像』1951年11月
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作品名
大阪の宿
初出
『群像』1957年1月
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作品名
芸術と金銭とマスコミ
初出
『学鐙』1959年10月