凍樹

凍樹

トウジュ

文芸(単行本)

気鋭の書下ろし禁欲的純愛小説
こらえるほどに、愛は深くなる。
美術館学芸員の人妻と年下のミュージシャンとの運命的な出会い。恋愛の至福と芸術の快楽が交錯して豊潤な時間が生まれる。

男の顔がゆっくりと布結子(ふゆこ)に向けられた。布結子は目を伏せ気味にして、笑みを浮かべた。そうしながらも、男をちゃんと観察していた。顔に無駄な肉が付いていない。だからといって、骨ばっているわけでもない。むしろ、柔らかな顔つきだ……。どことなく初々しさが感じられる。青臭さと言ってもいい。……布結子は引きよせられるように男の横顔を見つめた。――本文より


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書誌情報

紙版

発売日

1998年12月10日

ISBN

9784062089371

判型

四六

価格

定価:1,980円(本体1,800円)

ページ数

310ページ

著者紹介