美男忠臣蔵

美男忠臣蔵

ビナンチュウシングラ

文芸(単行本)

全く新しい忠臣蔵
美しく戦った、綱吉・柳沢吉保も大石父子・堀部安兵衛も!幕閣の危機を、意表をつく筆致で描く推理作家協会賞受賞作家の傑作。

「手前の顔に、何かついておりますか」大石は笑った。「いいや、あまりの若さにいささか驚き申しただけ」大石は30代だといっても通るほど、見た目が若い。柳沢吉保が身ひとつでここまで来られたのは無論綱吉の引きがあったに他ならないが、組織のなかで生き残るためには、実績よりも観相の力量が重要である。味方にして役に立つ男か、信用できる男か、あるいは敵にすべきでないから味方にしたほうがいいのか。それぞれ見極めてゆかぬことには足を掬われる。「御事(おこと)は――」つい吉保の口をついて言葉が出た。「いたく晴れ晴れとした顔をしておられる」「やりたいことはすべてやり尽くし申しましたゆえ」――(本文から)


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書誌情報

紙版

発売日

1997年11月12日

ISBN

9784062089562

判型

四六

価格

定価:1,760円(本体1,600円)

ページ数

318ページ

初出

『季刊歴史ピープル』1997年盛夏号に一挙掲載

著者紹介