秒速10センチの越冬

秒速10センチの越冬

ビョウソクジュッセンチノエットウ

文芸(単行本)

おれのくそったれな労働の日々。
粗野で繊細、シニカルで純情。独自の文体で「現在」をとらえる各紙誌絶賛の群像新人賞受賞作。

【選評より】
●『秒速10センチの越冬』を推した。これはいわゆる「フリーター」の生活と労働を描いたものだが、ここには数年前まで跋扈したような軽さがまだ残っていながら、同時にそれが危うくなりホームレスとの境界に近づいているような曖昧な状態がとらえられている。──柄谷行人
●リアリズムの鮮烈さが長所といってよい。「敗北」した自分と他人との「関係」を淡々とけれん味ない文体で語っているけれど、風刺と抵抗の気分が溌刺としていて、ひとつの青春風景を書き抜いていた。──李恢成


  • 前巻
  • 次巻

書誌情報

紙版

発売日

1997年11月25日

ISBN

9784062089678

判型

四六

価格

定価:1,540円(本体1,400円)

ページ数

166ページ

初出

『群像』1997年6月号

著者紹介