
年表で読む二十世紀思想史
ネンピョウデヨムニジッセイキシソウシ
- 著: 矢代 梓
1883年-1995年
マルクスの死に始まり、ドゥルーズの自死に至る、無数の人間・事件の軌跡。その行間に時代精神の連関を読む、著者渾身の力作。
彼は、昼間は書物の出版編集者であり、夜は幻想の私設図書館のなかでの過去との幻想的な対話者であった。……夜の幻想的空間のなかで、「笠井(=矢代梓)はプラハのカフカであり、パリのベンヤミンであり、ウィーンのウィトゲンシュタインであった」。至福の一瞬一瞬があった。それは幸福な人生であっただろう。それは想像力によって構築されたもうひとつの人生である。そういう想像力を駆使できるのは、大人ではなく、最良の意味での「子供」である。あたかも童話の世界を現実のように生きるのである。メルヘンに遊ぶ子供、それが笠井君のもうひとつの側面であったのではないだろうか。笠井「年表」とは、そういう精神が生みだした成果であり、ひとつのメルヘンである。――今村仁司-笠井「二十世紀思想史年表」のおもしろさ-より
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書誌情報
紙版
発売日
1999年09月10日
ISBN
9784062090025
判型
四六
価格
定価:2,420円(本体2,200円)
ページ数
254ページ