赤瀬川原平の名画探険　フェルメ－ルの眼

アカセガワゲンペイノメイガタンケンフェルメールノメ

絵：ヨハネス・フェルメール，
文：赤瀬川　原平

赤瀬川原平流に読み解くフェルメール全作品
17世紀オランダ絵画を代表するフェルメール。謎を秘めた36点の作品全てについて、その美しさの秘密を探る画文集。好きだから面白い！私流絵の楽しみ方を提案。

フェルメールはカメラが出来る前の“写真家”である。と考えた方がいいのかもしれない。そう思うほど、フェルメールの絵は光学的で、神秘的である。光学的、つまり科学的であることがどうして神秘的なのか。（中略）ぼくがフェルメールに引かれたのは、そういう妙な感触からである。二律背反というか、暖かいのに冷静、穏やかなのに研ぎさまれている、そういう感触が妙に目に引っ掛かって離れなかった。（本文より――赤瀬川原平）