
藤沢周平論
フジサワシュウヘイロン
- 著: 中島 誠

清冽な優しさ。群を抜く、藤沢周平論!女が、本当に悲しいときを描ける作家は、そうざらにはいない。藤沢は、それを適確に書く!平凡なことを、非凡に描く才能こそ最高である。
私は、藤沢周平の、いわば土性骨に迫って触わりたいと念じて本書をつくってみた。彼は、小説のなかで時々、東北の村には必ず1人や2人、ど不敵なやつがいると書き、そんな人間を描くことに熱中したという。私は、彼の作品の群れのなかで、何度もこのど不敵なやつの土性骨に触れた。それは、何ともいえず爽かで気分の良い心地であった。静寂のなかの光速の眩さを私は彼の作品に見た。──中島誠
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書誌情報
紙版
発売日
1998年01月21日
ISBN
9784062090490
判型
四六
価格
定価:1,980円(本体1,800円)
ページ数
222ページ