水の抱擁

水の抱擁

ミズノホウヨウ

文芸(単行本)

繊細緻密な秀作長篇小説
愛はうつろいやすく家族のつながりはもろくあやうい
夫婦とは、親子とは、愛とは何か?
幼い日の記憶と交錯し、微妙に揺れる心

1年前まで桝田五郎とわたしは夫婦だった。一緒に暮らしたのは3年と数ヵ月だけだったが、内情はともかくモエを中に表向きにはしごく円満らしく家庭生活を営んでいた。それを解消してわたしとモエは、これも離婚して独り身になったばかりの佐山完と暮しはじめた。なにやら2組の男女が、適当に家族ゲームを繰り広げたような結果になってしまって、正直なところ当事者たちもこの1年ほどのあいだ、それぞれに落ち着かない思いでやってきたことはたしかだ。──本文より


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書誌情報

紙版

発売日

1998年04月16日

ISBN

9784062090858

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

188ページ

初出

『群像』1997年5月号「放たれ遊く群れよ」を改題

著者紹介