いつのまにか私も「婆あ」

いつのまにか私も「婆あ」

イツノマニカワタシモババアイナオッテオイヲタノシム

NHK連続テレビ小説「天うらら」の原案者が、自らの「性」と「老い」を隠さず飾らず赤裸々に描いたシリアス&ユーモラスな最新エッセイ!!
女は死ぬまで女!まだ枯れるには早すぎる

閉経にしても、もう女でなくなったと落ち込む人がいるけれど、バカ言ってんじゃないよ、女は死ぬまで女なのだと私は意に介さない。むしろ、生理用品代がいらなくなったし、失敗する心配もなくなったし、初日にお腹が痛むのもなくなって結構ずくめではないか。なんと女はムダなことに心身を煩わせていたのだろうとアホらしくなる。さらに、閉経で女でなくなったと考える男とは話もしたくないし、セックスで妊娠しなくなった女のすばらしさがわからぬ男とは寝たくもない……──本文より

もし神サマが、昔の若さ美しさに戻してやろうと言ったら、私はキッパリ断る。60年間悩んで飢えてやっと実った私らしさの小さな果実を、未熟以外のなにものでもない若さ美しさと引き替えてなるものか。まだ小さな蒼い果実を芳醇なそれに育てるために、婆あ街道はスリルとサスペンスを諦めてはいられないのだ。21世紀の婆あ三昧は、いい子ブリッ子をやって「可愛いおばあちゃん」になっては、社会の激変においていかれてしまう。きちんと自己主張し、その言葉に責任を持ち、若いモンに媚びず、権力になびかず、波風を立てまくって生きぬこう。出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打たれない!──あとがきより


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書誌情報

紙版

発売日

1998年04月24日

ISBN

9784062091961

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

242ページ

著者紹介