父親殺し

父親殺し

チチオヤゴロシコドクナカゾクノセイシンカンテイ

どこからみても「普通の家族」。そこには母と子と父の葛藤が!
愛し合う両親から生まれた自慢のひとり息子は、なぜ父親を殺すほどに憎んだのか?尊属殺人犯の精神鑑定を通じて、「親子とは」「家族とは」何かを問いかける!

たしかに、子ども時代には、いろいろなところに連れて行ってくれたことは事実ですよ。冬はスキー、夏は海水浴、春と秋はどこかの観光地に泊まりに行きました。でも、それは、彼らが行きたかったから行っただけで、子どものためを思って行ったんじゃなかったでしょうね。僕を留守宅におきっぱなしにしておくわけにもいかなかったから、仕方なしに連れて行っただけですよ。今時は、北海道やハワイまで行くのだって、犬や猫を連れて行く人が多いっていうじゃないですか。(中略)
あれと同じで、僕はペットだったんですよ。――本文91ページより抜粋


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目次

第1章 月の光、心の闇
第2章 「母親の仇をとりたかった」
第3章 食べ物と乳房
第4章 もう一つの父親殺し
第5章 「親でもなければ、人でもない」
第6章 家族の履歴書
第7章 「生まれてこなければよかった」
第8章 心のレントゲン
第9章 鑑定人の履歴書
第10章 「僕が父親を殺した理由」
第11章 責任能力をめぐる闘い
第12章 父親を殺した者たちの行方

書誌情報

紙版

発売日

1998年05月20日

ISBN

9784062092203

判型

四六

価格

定価:1,650円(本体1,500円)

ページ数

270ページ

著者紹介