宇宙を呑む

宇宙を呑む

ウチュウヲノムアジアノウチュウダイキョシンノケイフ

宇宙と身体を貫く人体マンダラの不思議

【宇宙を呑む童児(クリシュナ)】インドの古譚をもとに描かれた、自らの足を噛む幼児の細密画──身体のなかに三界のすべてが存在し、息を吸えばその体内に呑みこまれ、息を吐けば体外へと吐き出される。一呼吸ごとに成長する幼児を描いたこの画から、眼に見えぬ風(プラーナ)や、気の流れを感じとることができる。
【宇宙を呑む大巨神】クリシュナ=ヴィシュヌ神の細密画──宇宙を呑みつくすクリシュナ神の「身体内」は、地下世界から地上世界、そして天上界にいたる14の秩序ある世界として描かれている。平穏と静寂にみちたこの図像は、五感の充実へと結びつき、人間の身体の各部が宇宙と照応しあうことを物語っている。
【宇宙を呑むヨーガ行者】7つのチャクラを中心軸に重ね、全宇宙風景を身体にとりこんだヨーガ行者の細密画──気息(プラーナ)を通じて、宇宙摂理たる大宇宙(ブラフマン)と小宇宙(アートマン)を合一化し、梵我一如の境地を得る。呼気・止息(クムパカ)・吸気の3つの呼吸法を苦行で会得しなければならない。
【宇宙を呑む道教の道士】内丹術(気功法)を絵画化した内経図──古代中国の身体観・宇宙観は天と地・天と人とが照応しあう天人相関の思想である。内気を練りあげ円還させる小周天、そして「煉神還虚」の域への達成を目指す。内経図は、この周天法を解き明かす山水画である。


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書誌情報

紙版

発売日

1999年11月10日

ISBN

9784062092807

判型

A5変型

価格

定価:4,180円(本体3,800円)

ページ数

374ページ

著者紹介