世界の涯ての弓

世界の涯ての弓

セカイノハテノユミ

文芸(単行本)

世界のどこかに、必ずあるはずの音楽を求めてチェリストは消えた。木っ端みじんになったチェロだけを残して。友人が何を捜していたのかを知るため、「弓使い」林馨はひとり香港にわたる。そこは「世界の涯ての」植民都市。修養が死に絶えた街なのだという。アーイエと名乗る娘に誘われ、馨は旅立つ。自分を待っている街へ。

筒井康隆氏絶賛!誰もが心に抱く、「自分の居るべき真の場所」をテーマに、悠揚として、駘蕩として、物語は進行する。饒舌もペダントリィも、主人公を導くアニマ的女性も、老賢者たちも、それぞれが結末の感動に奉仕する。一切の娯楽性や怪奇趣味を排除した極北の幻想文学と言うべきだろうか。――筒井康隆


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書誌情報

紙版

発売日

1998年08月17日

ISBN

9784062092838

判型

四六

価格

定価:1,870円(本体1,700円)

ページ数

276ページ

著者紹介